超高純度
コロイダルシリカ
リンゴ酸
超高純度コロイダルシリカ
FUSOは半導体研磨剤の主要原料である「超高純度コロイダルシリカ」の量産を世界に先駆けて開始し、市場への安定供給を確立したパイオニアです。今ではその蓄積された経験と技術により、ナノレベル(1ナノメートルは10億分の1メートル)のシリカ粒子の大きさ、形、表面状態などをコントロールできる高い技術力を持っています。電子部品の小型化・高性能化に伴い、半導体にはより一層の高集積化、微細化が求められており、これを実現するためには各製造工程でナノレベルの研磨・平坦化が不可欠で、研磨剤の品質が大きく影響します。最先端半導体向け研磨剤原料として微細化に対応できる超高純度コロイダルシリカのサプライヤーは限られており、当社のポジションは益々強固なものとなりつつあります。
コロイド:ある物質が特定の範囲の大きさの粒子(直径1~100ナノメートル)となって、他の物質の中(水など)に均一に分散している状態を「コロイド」といいます。煙(微粒子が空気中に分散している)や牛乳(脂肪の粒子が水中に分散している)なども「コロイド」の一種です。
シリカ:二酸化ケイ素のことです。地上に酸素に次いで2番目に多く存在する元素がケイ素で、「超高純度コロイダルシリカ」の原料である金属ケイ素は、二酸化ケイ素を含む「ケイ石」から作られています。身近な「石」や「砂」にも多く含まれています。
▲金属ケイ素
微細な砥粒と特殊なパッドでウエハ表面の凹凸を除去して限りなく平坦にする工程を鏡面研磨といい、この工程ではわずかな汚れや傷も許されません。この研磨剤の材料として、超高純度コロイダルシリカが多く用いられています。
集積回路の素材として使用される、高純度なケイ素(シリコン)製の円盤です。表面に何層もの緻密な回路を形成するために極めて精度の高い鏡面化が必要で、回路を形成されたウエハは一つ一つ小さくカットされ、さまざまな電子機器に組み込まれます。
研磨剤と研磨対象物の相対運動により、高速に平滑な研磨面を得る技術がCMP(化学的機械的研磨)で、集積回路の配線製造工程など半導体製造工程全般で多用されています。今日、半導体の精度はナノレベルで微細化しており、超高純度コロイダルシリカは、その研磨剤(スラリー)原料として必要不可欠な素材となっています。
超高純度コロイダルシリカの粒子の最小サイズは10~15ナノメートル(nm)。これはウイルスのサイズとだいたい同じです。このシリカ粒子を、ほぼ不純物のない99.9999%の純度でコロイド状にし、さらにお客様のご要望に合わせて、大きさ、形、表面状態などを自由にコントロールできるのが、FUSOのナノテクノロジーです。
もし、粒子径約15ナノメートルの超高純度コロイダルシリカが入った直径約10cmのシャーレを、地球の直径(赤道方向・約12,700km)にまで拡大したとすると、同率で拡大された超高純度コロイダルシリカの直径は、背の高いヒトの身長くらい(1m90cm)になります。つまりシャーレと超高純度コロイダルシリカの大きさの比率は地球と人間の比率とほぼ同じ。超高純度コロイダルシリカがいかに小さい粒子かお分かりいただけたでしょうか。
1987年、神崎川工場(現新大阪事業所)において、超高純度コロイダルシリカの試験生産を開始。同年、シリコンウエハのファイナルポリシングスラリーの主原料として半導体業界に採用されました。
▲超高純度コロイダルシリカ設備
1989年、福知山工場(現京都事業所第一工場)において、超高純度コロイダルシリカの新鋭生産設備が完成。1991年より本格生産を開始しました。
▲京都製造所(現京都事業所第一工場)
1996年、京都製造所(現京都事業所第一工場)において、原料のプラント、続いて生産能力を引き上げるためのプラントが次々と完成。これにより超高純度コロイダルシリカの原料からの一貫生産を実現しました。
▲京都事業所第二工場
2007年に京都第二工場の生産設備が完成。それ以降も需要の拡大に合わせて新規設備を随時拡充し、お客様のニーズに対応した高品質の製品をさらに安定的に提供する事を目指しています。
2011 年、青島扶桑にて超高純度コロイダルシリカの主要原料である金属ケイ素粉砕設備が完成し、稼働を開始しました。原料の安定供給の基盤となっています。
2013年、かながわサイエンスパーク内に、電子材料事業の研究所を開設。
2018年、京都第一工場、第二工場の設備増設が完成。
2022年、神戸医療機器開発センター内に、電子材料事業の研究所を開設
▲鹿島事業所(完成予定図)
鹿島事業所での超高純度コロイダルシリカ製造設備が2023年稼働に向けて、建設中です。
また、京都事業所において増設する設備は、2024年稼働の予定です。
創業以来培ってきた精密化学品製造の独自技術を活かし、今や半導体業界に必要不可欠な「超高純度コロイダルシリカ」を主力に展開する部門が「電子材料および機能性化学品事業」です。純度99.9999%の「超高純度コロイダルシリカ」は、ナノレベルの精度が要求されるCMP(化学的機械的平坦化)用スラリーとして、集積回路(IC)の多層化・高集積化に貢献。粒子径の微細化、粒子形状の制御や表面修飾といった、さらなる高度な技術を追求しています。
京都事業所だけでなく、2023年には鹿島事業所でも製造を開始します。また研究・開発拠点として、東京研究所に加えて神戸研究所を2022年に開設し、さらなる飛躍を目指します。
京都府・福知山市の10万平方メートルをこえる敷地に広がる京都事業所。国内での電子材料および機能性化学品事業の生産を一手に引き受ける扶桑化学工業最大、最新鋭の工場です。主力製品である「超高純度コロイダルシリカ」の製造設備は世界最大級の規模を誇り、ナノレベルの高度な技術で高精度な製品を製造しています。
茨城県神栖市の「鹿島事業所」では、従来、リンゴ酸をはじめとするライフサイエンス事業関連製品の製造・開発を行ってきましたが、昨今の急激な半導体需要拡大に対応するため、2023年の操業開始を目指して、京都工場に続く新たな「超高純度コロイダルシリカ」生産拠点の建設を進めています。
これにより、FUSOが世界に誇る「超高純度コロイダルシリカ」の供給力の優位性を一段と高めてまいります。
2022年に京都事業所内の研究開発拠点を移転し、兵庫県神戸市に設立した「神戸研究所」。量産拠点である京都事業所だけでなく、関西主要都市などへのアクセスが良く、利便性の高い立地を生かして国内外のお客様・研究機関とのコミュニケーションを充実させながら、新規技術の研究・開発を行っています。
2013年に扶桑化学のナノテクノロジーを生かした新製品開発を目的として設立した東京研究所。超高純度コロイダルシリカ関連の技術を応用し、従来の用途にとどまらない新素材としての製品開発を目指して、シリカナノパウダーなど新製品の研究・開発を行っています。