リンゴ酸
リンゴ酸
超高純度コロイダルシリカ
「リンゴ酸」はその名の通り、リンゴから発見された成分です。リンゴやブドウに多く含まれ、爽やかな酸味があり、食品添加物として数多くの食品に使用されています。FUSOの基礎を築いた製品として当社シンボルマークのモチーフにもなっています。そのリンゴ酸やクエン酸といった果実に多く含まれる酸を「果実酸®」と呼んでおり、FUSOは国内トップクラスを誇る「果実酸®」総合メーカーです。FUSOがリンゴ酸製造を開始したのは半世紀以上前。当時、主な用途はジュースの酸味料でしたが、現在、果実酸の用途は食品添加物以外にも多岐にわたり、それぞれの分野になくてはならないものとなっています。
リンゴ酸はさわやかで爽快感のある酸味を持つのが特徴です。スポーツドリンク、炭酸飲料などの清涼飲料水、シャーベット、アイスクリームなどの冷菓、チューインガム、キャンディー類やジャム、ソース類、麺類、漬物といった加工食品向けの酸味料、日持ち向上剤、pH調整剤として幅広く使用されています。 食品用途以外でも、化粧品や医薬品、農業(土壌改良剤や飼料)、漁業(飼料や除藻剤)、精密産業(洗浄剤)など、さまざまな用途・分野で使用されています。
他の酸味料より少ない量で、ジュースや清涼飲料水にすっきりとした爽やかな味わいを与えます。
フルーツ味のグミや飴などに加えると、ほどよい酸味によって果物の風味を引き立たせることができ、よりリアルで鮮やかな味わいに仕上げます。
腐食しやすい食品のpHを低下させることで腐敗菌の増殖を抑え、食品の日持ちを向上させることができます。廃棄食品を減らすことで、フードロスの削減にも繋がります。
pH調整剤として、化粧品や美容ケア用品に活用されています。また、薬やサプリメントの苦味を酸味で隠して飲みやすくする効果も期待できます。
歯磨き粉に添加すると着色汚れが付きにくくなります。また、歯にこびりついた頑固な着色を浮き上がらせて洗い流す効果も期待できます。
土壌の㏗値を調整することで、細菌の増殖を防ぐだけでなく、さまざまな農作物の成長を助けます。
FUSOでは、食品添加物として指定されているリンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸を他の有機酸と区別して果実酸®と呼んでおり、塩類を含むこれら果実酸®を豊富に取り扱っております。それぞれ少しずつ酸味に違いがあり、用途に合わせて製品を提案することができるのが、FUSOの強みです。また、これら果実酸®は、食品に酸味を付与するだけでなく、pHを調整して日持ちの向上や品質の保持・向上を図るためにも広く用いられています。FUSOの技術を応用した製剤の開発により、食品の安全を守りながら、フードロスの削減にも取り組んでいます。
その名の通りリンゴから発見された有機酸で、爽やかな酸味があり、食品添加物として数多くの食品に使用されています。また、その機能性を活かして医療、工業、農業といった様々な分野でも幅広く活用されています。FUSOはリンゴ酸開発のパイオニアとして、また現在、国内唯一の製造メーカーとして、製品の安定供給と新製品の開発を続けてまいります。
自然界では、レモンやミカンといった柑橘類や梅干しなどに含まれる有機酸の一種です。これらを口にしたときに感じる酸味は、クエン酸に関係していると言われています。 すっきりとした酸味の特徴を生かし、酸味料として飲料や食品を中心に利用されています。また、果物や野菜の変色を防止したり、ミネラルの吸収を促進させたり、㏗を調整することで日持ちを向上させたりする役割も果たします。さらに、工業用途としての土壌改良剤やアルカリ性汚れの洗浄剤、家庭用の洗剤として用いられるなど、我々の生活の中で幅広い用途があります。
グルコン酸は、蜂蜜やロイヤルゼリーなどの天然食品にも含まれる有機酸です。クエン酸のすっきりとした酸味を100とすると、グルコン酸は30ぐらいのまろやかで柔らかな酸味※とされています。豆腐やチーズの凝固剤、パンなどの膨張剤を始め、天然由来の安全な食品添加物として、様々な食品に利用されるほかに、ビフィズス菌を増殖させる働きも確認されています。また、工業用途でも弱酸の特性を生かし、金属の表面処理や、コンクリートの凝結遅延剤などに使用されています。 FUSO はアメリカ・イリノイ州の「PMP Fermentation Products, Inc.」にて、トウモロコシを原料とする糖液を発酵させてグルコン酸類を製造しています。
※ 当社官能試験による数値
自然界では乳酸菌による発酵などで生じる有機酸で、さわやかでマイルドな酸味をもっているので、飲料や食品の酸味料として利用されています。その穏やかな酸味で食品の風味を損ねることなく日持ちを向上させることができる点が、最大の特徴です。人体の中でも糖を分解してエネルギーを作る際に生成され、陸上の短距離走など短時間で強度の高い運動を行うと体内に溜まりやすいとされています。以前はこの乳酸が疲労物質となると考えられていましたが、近年では、筋肉内のエネルギー源として再利用されることが分かっています。
果物の中では、主にぶどうに多く含まれる有機酸です。ワインの沈殿物(おり:酒石酸とワインに含まれるミネラル成分が結合したもの)に少し渋みがあるように、酒石酸自体も、収斂味(やや渋み、苦味などが混ざるような酸味)があり、クエン酸に比べると少しだけ酸味が強いことが特徴です。 飲料の酸味料や日持ちを向上させる役割だけでなく、ベーキングパウダーや化粧品、医療用医薬品のほか、工業用途など様々な分野で利用されています。
クエン酸に比べると、1.5から1.8倍近くの、鋭く強い酸味※が特徴です。フマル酸に重曹を加えることによって炭酸ガスが発生します。その反応を生かした身近な製品として、入浴剤やベーキングパウダーが挙げられます。そのほかにも、紙の耐水性を高める製剤や、家畜向けの飼料添加物(飼料中の栄養成分の利用を促進させる製剤)としても利用されています。 リンゴ酸とフマル酸は、鹿島事業所の主力製造品です。また、これらの生産量は日本一を誇ります。
※ 当社官能試験による数値
貝類(特にアサリやシジミ)に多く含まれるうま味成分のある有機酸です。調味料原料や、酸味料とて飲食物に利用されているほかにも、サプリメントや化粧品などのヘルスケア製品や、メッキ薬など工業用途にも使用されています。
※アイコンをクリックすると、それぞれの果実酸の特徴が分かります
▲リンゴ酸製造開始当時の神崎川工場
1957年に創業者・赤澤庄三によって大阪市淀川区で設立された扶桑化学工業株式会社。その5年後の1962年には神崎川工場(現新大阪事業所)を設置し、早くも「リンゴ酸」の製造を開始。1967年には海外輸出を開始しました。
▲第3期工事が完成した堺工場
アメリカでのリンゴ酸の高評価により販売は拡大。1970 年には国内で500 トン、海外への輸出実績は1,200 トンを超えました。その後、リンゴ酸の誘導体の開発を開始し、「リンゴ酸ソルト」「リンゴ酸ナトリウム」といった製品を開発。生産拠点を堺工場(現大阪工場)に移転しました。
▲果実酸用コンテナ
リンゴ酸誘導体の応用開発技術が高く評価され、科学技術庁長官賞を受賞。リンゴ酸は世界の生産量の50%近くを供給するまでに成長しました。1986年には果実酸のひとつである「クエン酸」の精製を開始。「果実酸総合メーカー」への道を歩み始めました。
FUSO初の海外拠点「青島扶桑精製加工有限公司」設立。クエン酸の製造を開始しました。
2017 年、かながわサイエンスパーク(KSP)内の東京研究所に、ライフサイエンス事業の研究室を開設。併設するテストキッチンで試作を行いながら、より一層お客様の要望に寄り添った研究開発を実現させています。
▲鹿島事業所 リンゴ酸製造設備
2019年、さらなる需要に答えるため、鹿島事業所にリンゴ酸プラントを新設。2020年より稼働開始、年間生産能力25,000トンとなり、まさに世界トップクラスのリンゴ酸メーカーとしての生産・販売体制を確立しました。
2022年、FUSO独自の加工技術を活用し、有機酸の表面を均一に油脂コーティングした「コート果実酸」を上市しました。
「ライフサイエンス事業」では、主に食品添加物として優れた機能と高い安全性が必要とされる製品群を研究開発・製造・販売しております。 「果実酸®」の中でも、「リンゴ酸」は国内唯一の製造メーカーとして、世界においても大きなシェアを獲得しています。また、「クエン酸」、「グルコン酸」は長年の実績により高い支持を得ており、その地位を確固たるものにしています。 研究開発は、主に新大阪事業所、東京研究所で行い、製造は主に大阪工場、鹿島事業所で行っています。海外では青島扶桑精製加工有限公司、PMP Fermentation Products, Inc.、扶桑タイランドが拠点となっています。
医薬品GMP適合の製造設備を備え、高品質な医療分野の製品などを生産する新大阪事業所。商品開発とともに、FUSOの高品質を保つための品質管理の技術もここで培われていきました。2022年3月に上市した「コート果実酸」は、この事業所を中心に研究開発が進められています。果実酸を使ったビジネスを拡充する上で、重要な拠点の一つです。
2017年、茨城県神栖市に開設された鹿島事業所。無水マレイン酸・フマル酸の製造設備に加え、最新鋭の検査機器や製造・梱包設備を備えたリンゴ酸製造設備を完備し、リンゴ酸の原料からの一貫生産体制を整えました。広大で海上輸送に有利な立地を活かして、各種果実酸類の生産を増強し、世界的な果実酸ビジネスの拡充を目指しています。
2017 年、東京研究所にライフサイエンス事業の研究室として、関東エリアの顧客に近いという地の利を活かした「テストキッチン」を開設。お客様により近い場所と感覚で、食品添加物製剤の提案や食品のシーズニング(調味料)を含めたレシピ開発などを行っています。
堺泉北臨海工業地帯に位置する大阪工場。FUSO初の大型工場であり、リンゴ酸に加えて様々な果実酸、食品添加物製剤など、多種多様な製品を製造しています。また、新製品の「コート果実酸」シリーズも製造しています。
1994年に設立されたFUSO初の海外拠点、青島扶桑精製加工有限公司。FUSOが誇る高度な生産・品質管理システムにより、高品質な食品添加物製剤、調味料などを製造しています。30年以上にわたって現地との良好な関係を築き、FUSOのアジアでのビジネス展開の基盤となっています。この関係性を生かし、ライフサイエンス事業だけでなく、電子材料事業での原料となる金属ケイ素の調達から粉砕加工までも担っています。
アメリカ・イリノイ州にある生産・販売拠点、PMP Fermentation Products, Inc.。トウモロコシを原料とする「グルコン酸類」を製造しています。コーンベルトと呼ばれるトウモロコシ調達に有利な立地を活かし、アメリカ国内唯一のグルコン酸類製造会社として、アメリカでのトップシェアを誇ります。
FUSO (THAILAND) CO., LTD.は2008年8月に設立。タイおよび周辺国へリンゴ酸など有機酸類の輸入販売を行っています。また日持ち向上剤や品質改良剤などの食品添加物製剤はタイの自社工場で製造され、ASEAN域内への安定供給を実現。日本と同じ品質保証体制のもと安心安全な食品添加物を供給するたけでなく、お客様の製品開発を現地でサポートしています。