色調
酸化
抹茶や緑茶には、鮮やかな緑色を生み出す成分として「クロロフィル」が豊富に含まれています。
しかしながら、このクロロフィルは構造的に不安定で、保存や加工の過程で容易に変色や風味劣化を引き起こす恐れがあります。
クロロフィルはポルフィリン骨格をもち、その中心にはマグネシウム(Mg)が配位しています。
ところが、この構造は酸・熱・光に弱く、影響を受けるとMgが離脱して「フェオフィチン(褐緑色)」に変化し、食品の退色を招きます。
また、クロロフィルが光を受けると、「励起三重項状態(³Chl)」と呼ばれる状態になります。
この状態のクロロフィルは空気中の酸素と反応し、強い酸化力を持つ「一重項酸素(¹O₂)」を生成します。
さらに一重項酸素は、不飽和脂肪酸の二重結合を攻撃して「脂質ペルオキシド」を生成します。
この脂質ペルオキシドは不安定で分解されやすく、そこから発生するラジカルがさらに酸化を促進します。この結果、酸化反応が連鎖的に進行します。
その過程で、アルデヒドやケトンといった揮発性物質が生成され、食品に異臭、苦味、または劣化臭を引き起こします。
使用製剤:オキシナジー™
生クリーム(乳脂肪分:35.0%)に、「オキシナジー™」0.5%、グラニュー糖、抹茶粉末、本製剤を加え、ハンドミキサーで泡立ててホイップクリームを作製しました。
容器:透明プラスチック
温度:10℃
光照射: 1,500 Lux
「オキシナジー™」を添加することで、抹茶の退色・風味劣化の抑制効果を確認しました。
使用製剤:オキシナジー™
ドーナツ(薄力粉100部/無塩バター16.5部/きび砂糖33部/玉子30部/ベーキングパウダー小さじ0.5/抹茶粉末1部)生地をつくり、植物油(キャノーラ油;酸化防止剤フリー)で油調しました。
揚げ油温度は170℃、揚げ時間4分(表裏あわせて)。
*酸化防止剤添加区の添加量は、対粉w/w%。
容器:ポリ袋
温度:20℃
光照射:2,000Lux
抹茶の光退色を確認するためにドーナツをカットし、オキシナジー™は退色抑制効果が長いことを確認しました。
*赤枠は退色あり。
POV30到達日数を比較し、オキシナジー™の酸化抑制効果を確認しました。
*到達期間が長いほど酸化安定性が良好です。
*菓子指導要領(昭和52年11月16日環食第248号)において、油脂の酸化による食中毒を防ぐため「菓子はその製品中に含まれる油脂の過酸化物価が30を超えるものであってはならない」とされています。
使用製剤:オキシナジー™
生地(ホットケーキミックス 100部/卵 40部/牛乳 70部/砂糖 30部/バター 30部/抹茶またはクロレラ入り抹茶 1部)をミックスし、ペーパーカップに入れた後、予熱したオーブンで焼成しました(180℃、15分)。
容器:ポリ袋
温度:20℃
光照射: 700 Lux
焼成時の加熱で退色してしまう抹茶の色調はクロレラ色素で補完できるものの、連続的な光酸化により退色と風味劣化が進行しました。
一方で、オキシナジーの添加により、クロレラ入り抹茶においても、退色抑制効果および過酸化物価(POV)の抑制を確認しました。
抹茶の光退色を確認しやすいよう、断面をカットしております。
POV30*(油脂酸化を強く感じる)到達期間が長いほど酸化安定性が良好です。
*到達期間が長いほど酸化安定性が良好です。
*菓子指導要領(昭和52年11月16日環食第248号)において、油脂の酸化による食中毒を防ぐため「菓子はその製品中に含まれる油脂の過酸化物価が30を超えるものであってはならない」とされています。
FUSOでは抹茶や緑茶の退色・風味劣化に効果的な酸化防止剤製剤「オキシナジー™」を提供しています。
脂溶性成分の「ビタミンE」と難溶性結晶物である「ビタミンCパルミテート」の相乗効果による優れた酸化防止成分と、その効果を最大限に引き出す「果実酸®」を厳選して配合しています。
■水に均一分散するため、少量の添加で高い効果を発揮し、食品の風味に影響を与えにくいです。
■様々な加工食品の酸化防止、光酸化防止、風味劣化の抑制にご使用いただけます。
■食品の劣化を抑え、賞味期限を延長させることで、食品ロスの削減にも大きく貢献します。
お客様の食品や製造工程に合わせて最適な製剤や添加方法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。