Life Science ライフサイエンス

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ライフサイエンス分室

色調

酸化

肉類の変色防止事例|ローストビーフや冷凍ハンバーグなど

牛肉などの肉類における変色

畜肉にはエネルギー源となる脂質が豊富に含まれており、中でもオレイン酸やリノール酸など不飽和脂肪酸は酸化を受けやすい性質をもっています。
そのため、保存や加熱、光や酸素との接触によって容易に劣化し、風味や臭いに大きな影響を与えます。

肉中の脂質は、特にミオグロビン由来の鉄が強い触媒となり酸化を促進します。
まず不飽和脂肪酸が酸素やラジカルによって攻撃を受け、脂質ペルオキシドが生成されます。
この脂質ペルオキシドは非常に不安定で、分解する過程でアルデヒドやケトンといった揮発性化合物を生じます。
これらは低濃度でも強い臭気を放ち、いわゆる「獣臭」として知覚されます。

また、酸化は肉の色にも影響を及ぼします。赤色を呈するミオグロビンは酸化するとメトミオグロビンへと変化し、鮮やかな赤色から褐色へと退色します。
脂質の酸化による風味の劣化と合わせ、こうした色調の変化も食品の品質低下につながります。

ローストビーフ(インジェクション)

使用製剤キプカロン®T

試験方法

牛肉ブロック(オーストラリア産ランプ)
→インジェクション(加水率115%)
→ 4℃・2時間静置
→加熱(中心温度63℃・30分)
→急速凍結(-40℃)
→冷凍保存(想定:流通時)
→スライスし、サラダ上に盛り付け(*サラダに使用されたpH調整剤の影響でローストビーフが変色しやすい)
→冷蔵保存(想定:販売時)

保存条件

流通時

温度:-20℃
期間:5日

ショーケース

温度:10℃
光照射:1,000Lux

結果

牛肉の色調変化と風味劣化(獣臭)の抑制効果を確認しました。

*赤枠は変色が見られた。

牛肉ステーキ(粉まぶし)

使用製剤キプカロン®T

試験方法

牛肉ステーキ (アンガスビーフ肩ロース、解凍)
→粉まぶし(対肉重量 1%)
→ 4℃・5分静置
→急速凍結(-40℃)
→冷凍保存(想定:流通時)
→冷蔵保存(想定:販売時)

保存条件

流通時

温度:-20℃
期間:1カ月

ショーケース

温度:4℃

結果

牛肉の変色抑制と風味劣化(獣臭)抑制効果を確認しました。

*赤枠は変色が見られた。

冷凍ハンバーグ(添加)

使用製剤オキシナジー™

試験方法

原料処方:合挽肉350g/玉ねぎ200部/パン粉大さじ3/牛乳大さじ2/全卵50g/調味料5g
*酸化防止剤の添加量は、対合挽肉重量とした
*パン粉は予め牛乳に浸し、ふやかして使用

保存条件

容器:ポリ袋
温度:-5℃

結果

冷凍ハンバーグの変色抑制、冷凍焼け防止にも高い効果を発揮しました。

官能評価

■加熱処理した後、オキシナジー添加区が最も畜肉の獣臭(酸化臭)を感じにくかった
■特に、オキシナジー0.1%添加区は作り立ての香りが最も保持されていた

過酸化物価(POV) 測定

「オキシナジー™」は、従来の酸化防止剤と比較して、少量添加で畜肉製品の酸化臭抑制効果で優れています。

肉類の変色防止に「オキシナジー™」、「キプカロン®」

FUSOでは肉類の変色防止に効果的な酸化防止剤製剤「オキシナジー™」と「キプカロン®」を提供しています。
「果実酸®」を厳選して配合することにより、畜肉の変色防止効果に優れるほか、冷凍焼けを防ぐ効果も期待できます。

オキシナジー™

■水に均一分散するため、少量の添加で高い効果を発揮し、食品の風味に影響を与えにくいです。
■様々な加工食品の酸化防止、光酸化防止、風味劣化の抑制にご使用いただけます。
■食品の劣化を抑え、賞味期限を延長させることで、食品ロスの削減にも大きく貢献します。

キプカロン®

■食品の風味を損ねることなく、食品本来の美しい色調を保持します。
■食品用途にあわせた添加方法(浸漬/練り込み/粉まぶし/塗布/噴霧等)が可能です。
※消費者向けに販売される生鮮食品にはご使用いただけません

お客様の食品や製造工程に合わせて最適な製剤や添加方法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

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