PEOPLE

私たちの若い発想次第で、 有機酸の可能性はどこまでも広がっていく。

  • ライフサイエンス事業部
  • 営業開発本部 商品開発部
  • M.M.2019年入社
  • 大学院 応用生命科学専攻

入社後、商品開発部に配属。1年間ほど農業向けの植物活性剤の研究開発に取り組む。その後、有機酸に携わり、2020年から現在の開発テーマを担当。

独自の強みを誇る会社で
社会につながる製品開発に取り組む。

入社の動機を教えてください。

就職活動では、ニッチな分野で高いシェアを持つ会社を探していました。たとえ大企業でなくても独自の強みを誇る会社で研究開発に携わりたかったのです。学生時代は、有機合成系の研究室で、ある植物ホルモンと同じ働きをする物質の探査に取り組み、コンピュータ上でスクリーニングし、合成を行い、評価するという実験を繰り返し、実用化のステップに向けて少しだけ手応えを得ることができました。この時に感じた手応えをもっと強く経験してみたいと考え、大学で基礎研究を続けるのはなく、企業での商品開発という道を選んだのです。FUSOは、大学でのテーマにもつながるライフサイエンス分野に加えて、電子材料分野という2つの領域で独自の強みを発揮しています。そこの面白さを感じたのが入社の決め手でした。

この製品を実用化して
社会に送り出すことが一番の目標。

現在どのような開発に取り組んでいるのですか?

果実酸(有機酸)を使った新しい日持向上剤の開発に取り組んでいます。これは食品に用いる製剤で、日持ちを改善してフードロスを減らすといった機能があります。このような特徴を深めるとともに、添加する食品本来のおいしさへの影響も極力抑えるという機能も狙っています。このテーマの以前は、同じく果実酸(有機酸)を使って大豆ミートの香味を改善する研究開発に携わっていました。その時の実験で、さまざまな有機酸類を組み合わせたり、混ぜ方やその順序を工夫したり、試行錯誤しているうちにあるユニークな“タネ”を見つけたのです。そこで上司に相談すると、「それは日持ち向上剤として面白かも」というアドバイスをもらって、今のテーマが立ち上がってきたわけです。現在は、研究室から製造レベルへとスケールアップさせようという段階。そのために、外部機関での分析や、弁理士との特許関係の打ち合わせなども進めています。スケールアップとともにまだ研究室レベルでのブラッシュアップも必要ですが、この製剤を実用化して世の中に送り出すことが現在の一番の目標です。

入社3年目で開発チームのリーダーに。
たわいもない雑談から新しい発想が生まれることも。

開発チームの雰囲気はどんな感じですか?

現在は3人のチームで開発を進めています。(取材日時点で) 入社3年目の私がリーダーで、あとは入社2年目と1年目の後輩という若いチーム。全員が女性です。商品開発部では半数以上が女性社員ということもあって、私のチームが全員女性なのはたまたまですね。リーダーとして意識していることは、こまめなコミュニケーション。「この実験方法、どっちがいいかな?」とか、気軽に議論するようにしてフラットな関係を心がけています。日頃からのたわいもない雑談も大切ですね。実験などで行き詰まってしまった時などは貴重な息抜きになりますし、さりげない会話から新しい発想が生まれてくることもあるのです。また、組織の垣根がなくて、わからないことなどを他部署の先輩にも気兼ねなく相談できます。このような風通しのよい空気はFUSOの大きな魅力です。

食品に限らず、日用品などに視野を広げていけば、
その可能性はさらに広がっていくはず。

あなたにとって果実酸(有機酸)の魅力とは?

私たちが主に扱っている果実酸(有機酸)は、構造としてはとてもシンプルで低分子の物質です。けれども、分析などしていてもいまだに数多くの発見があります。この「シンプルだけど奥が深い」というのが一番の魅力だと感じています。また、食品に限らず、日用品などもっと視野を広げていけば、その可能性はさらに膨らんでいきます。実際、開発をしていても、「この“タネ”、食品では制約があるかもしれないけど、他の分野に応用できそう……」と考えることがよくあるのです。すでに入浴剤やシャンプーなどで使われていますが、まだまだ応用できる分野は幅広いはず。上司もこうしたチャレンジをどんどん後押ししてくれるので、あとは私たち若手の発想次第だと考えています。「この商品、私が開発した成分が含まれているんだよ」と友人や家族に自慢できたら嬉しいですよね。そんな機会が毎日の生活の中で少しずつ増えてくるといいなと考えながら、日々開発に取り組んでいます。