PEOPLE

お客様や社会に密着した視点から発想する、 有機酸を使った食品添加物製剤の開発。

  • ライフサイエンス事業部
  • 営業開発本部 商品開発部
  • M.S.2018年入社
  • 大学院 応用生物科学専攻

入社後、商品開発部に配属。以来、食品添加物製剤のアプリケーション開発に携わる。最近では、並行して新製品の開発も担当している。

FUSOという会社に出会って、
食品添加物へのイメージが変わった。

入社の動機を教えてください。

就職活動では、「食を支える仕事」を軸に会社を探しました。学生時代は、植物の免疫応答を高める新しいタイプの農薬の研究をしており、そのテーマから「食」や「農」に対して関心を持つようになったのです。FUSOについては、B to Bの会社ということもあり、初めはその存在も知りませんでした。けれど、会社説明会などに参加するうちに次第に興味が深まりました。FUSOの主力の商品の一つ、食品添加物については、正直言ってあまりよいイメージは持っていませんでした。しかし、説明会などで話をきくうちに、私たちの食生活にとってなくてはならない役割を果たしていることを知ったのです。また、お客様に密着した商品開発を進めていることも面白いなと思いました。私は、研究開発は好きですが、ずっと研究室にこもっているようなことは苦手。お客様と直接話をしながら一緒に進めていくような開発スタイルもあることを聞いて、自分でもチャレンジしてみたくなったのです。

テストキッチンで
お客様と一緒に考えながら、
最適な商品を提案する。

現在どのような開発に取り組んでいるのですか?

私がいるライフサイエンス事業部の東京研究所には、業務用の調理設備を備えた「テストキッチン」があります。私の現在の主な仕事は、このテストキッチンを使ったアプリケーション開発です。ここで実際に食品を試作しながら、お客様の要望に最適な商品を提案しています。基本的な開発の流れとしては、まずお客様と打ち合わせをして、お客様の要望や課題、工場での製造工程などをお聞きします。次にその情報をもとに果実酸(有機酸)などの製品を使った食品添加物製剤を選定して試作をします。その食品の日持ち効果や食感だけでなく、香味、焼き色など、全体のコーディネートを考え、時にはレシピそのものを提案することも。そして最終的には、お客様をテストキッチンにお招きして、一緒に試食をしながら提案をまとめます。食品の評価は官能的な部分が大きいので、メールや電話などではなかなか伝えにくい。face to faceで一緒に味わいながら進めるのが一番ですね。もう何年もお付き合いさせていただいているお客様もいて、会社の垣根を越えた一つのチームのような感覚で開発に取り組んでいます。

不安でいっぱいだった初の海外出張。
自分自身の変化に驚いて、
成長を実感した。

成長への転機となった経験はありますか?

入社2年目に経験したベトナム出張が印象に残っています。私が担当したお客様の食品がいよいよ製造段階となり、その立ち合いのために現地の工場まで出張することになったのです。入社1年目から開発に携わってきましたが、最初はわからないことばかり。お客様との打ち合わせでも、食品関係の専門用語が飛び交い、なかなかついていけませんでした。それでも上司にフォローしてもらったり、食品加工の勉強をしたり自分なりに必死でくらいついていきました。そんなタイミングでの初の海外出張だったのです。不安でいっぱいでした。でも、現地に行くと、自分でも驚くほど主体的に対応することができました。食品添加物製剤の扱いについて身振り手振りも交えて現地の作業員の方に指導し、現場の工程にあわせて商品の選定やレシピなどの改善もその場で提案しました。自分の成長を実感した瞬間でしたね。

「現場」と「研究室」の2つの視点から、
私らしい開発に取り組んでいきたい。

この先どのような開発者を目指していますか?

最近、このようなアプリケーション開発に加えて、食品添加物製剤そのものの開発にも取り組んでいます。もちろん、アプリケーション開発も大好きな仕事なので、これからも並行して続けていきます。このようにアプリケーションと製品という2つの視点から開発に関わっていくことは、私ならではの開発者としての強みになると考えています。実際、現在進めている製品開発のテーマも、アプリケーション開発の現場で見つけた課題から生まれてきたものなのです。私たちが開発する食品添加物製剤にはさまざまな役割がありますが、最近特にニーズが高まっているものに、高齢化に対応したやわらかな食感や、フードロスを減らす日持ち効果などがあります。これらは社会的な課題とも直接つながっています。これからもお客様の生の声を大切にしながら、お客様や社会に密着した私らしい開発に取り組んでいきたいと考えています。