当社が国際競争に打ち勝っていく企業となるために、社是「限りなき進歩と創造」への取り組みに向けた「求められる人材像」と「理想の組織像」を明確にした人事戦略が必要です。当社の企業価値を最大化させ、「進歩と創造」を実現する担い手は当社で働く人そのものです。経営信条の中では、「社業の繁栄によって従業員の豊かさを築く」と掲げ、当社の持続的成長と、従業員の成長・自己実現と生活の安定は表裏一体であると考えています。
当社は、2020年7月に総務部人事課を人事部として独立組織とし、2022年7月には人事課と労務課に細分化して人材の充実と労務管理の強化をおこないました。企業価値の向上に向けた人事戦略の取り組みとして、採用・制度・勤務および給与管理などDX化を進めるなど、新たな取り組みもおこなっています。
当社では、事業年度を上期と下期に分割し、各期に複数回、「人事ミーティング」を開催しています。その場では、常勤取締役の全員が出席し、全社的な人事考課レベルのすり合わせと併せて、主要なポジションのサクセッションプランや、中核人材の具体的な活用・育成計画について、議論しています。
当社の取締役(監査等委員を含む)や執行役員の人事に関しては、人事報酬諮問委員会が設置されています。取締役会は幹部級人事の異動がある場合、人事報酬諮問委員会に諮問を行います。当委員会は諮問に応じて委員会を開催し、取締役・執行役員の選解任、取締役の報酬について審議を行い、取締役会に対して答申しています。2023年度は5回開催されました。
経営目標の達成には、社員の成長を継続的に支援することが重要です。社員がワークライフバランスの満足度を高めるためにも、キャリア形成が見える人材育成制度を整えることが重要であると考えています。人事部では、各事業部門とコミュニケーションを重ねることにより組織に必要な人材要件や育成課題を捉え、研修体制を構築しています。
業務に必要なスキルやノウハウを習得するために、各職場でのOJTに加えて、全社的な研修体系を整備しており、階層別研修のような人材育成計画に基づく選抜・指名制研修だけでなく、従業員一人ひとりが自らのキャリアを自律的に考え、会社としてキャリア形成を支援するような選択制の職種別研修をおこなっています。
1.研修体系について
階層毎の「人材育成課題」を踏まえ、テーマ設定をしています。
2.研修実施計画(3か年)
テーマ設定と3年間計画を作成しており計画的に取り組んでいます。
3.その他
階層別研修のほか、次世代リーダー候補者を養成する「選抜型研修」「階層別コンプライアンス研修」など、階層別以外のアプローチによる研修設計についても引き続き検討し取り組んでいきます。
業務上必要とされる資格にポイントを付与することにより会社として推奨する資格取得を明確にしています。TOEICを含む151の対象資格毎に「難易度」と「奨励度」の指数を定め、その指数に乗じて算出した「資格奨励ポイント」に応じて、最大30万円の一時金が支給されます。
資格取得制度は、社員一人ひとりが自分自身のキャリア形成に向けたインセンティブにして取り組んでいます。
当社では学び直しや自身のキャリア形成のために、福利厚生制度の中でも無料e-ラーニング講座約900講座を用意しています。
当社製品に対する需要拡大が続く状況において、人材の採用・確保は、最重要課題の一つです。
新卒採用は研究開発や生産部門を中心に、中途採用は事業戦略に基づいた人材の最適配置の観点で、採用しています。
とりわけ、生産機能を有する事業所では、人材獲得競争が厳しい状況にありますが、採用管理システムで応募状況・選考進捗状況を効率的に管理するとともに、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用といった採用手法を取り入れ、要員強化に努めています。
中期経営計画「FUSO VISION 2025」においては、「ダイバーシティ(多様性)の推進・意識改革」を目標として掲げ、従業員一人ひとりが、安心して長く働くことができる雇用環境の整備に取り組んでいます。